そろそろ風邪のシーズン。鼻やのどにくる風邪による発熱や、お腹にくる風邪(感染性胃腸炎)による脱水症は、子供にとって実はとっても身近な症状です。
適切な子供のケア方法を理解することで、のど風邪やお腹にくる風邪の時の対処をしっかりと行いましょう。
風邪の季節に子供の脱水症は、なぜおこるの?
子供が脱水症を起こすのは、1~2月が最も多いので注意
子供を持つ男女265名の方に、子供が脱水症を起こした時期を調査した結果、1~2月が最も多い結果になりました。脱水症の原因として最も多かったのが、「風邪をひいた時」で52.8%と半数以上を占めた結果になりました。
発熱・嘔吐・下痢といった症状が脱水症を引き起こす原因となります。風邪・インフルエンザが流行る冬は、子供の脱水に関する注意が必要です。
発熱・嘔吐・下痢など、子供の体調に気をつけて欲しい
発熱を伴うのど風邪・お腹にくる風邪などは、特に注意が必要です。
嘔吐や下痢は、ウイルスなどの病原体を身体から排出するための大切な防御反応ですが、これが長く続くと身体から大量の水分と塩分など(胃液・腸液)が失われて脱水症になってしまいます。
これからの風邪のシーズンにそなえて、脱水症の対処法を心得ましょう。
乳児・幼児は、脱水症になりやすい。
その訳は?
- ①身体は、水分量が70~80%と、大人に比べて水分量が多い。
- ②成人に比べると身体の水分量を調節する機能が未発達なため、脱水症を起こしやすい。
- ③新陳代謝が活発で不感蒸泄(見えない汗)が多いため、身体の水分を失いやすい。
- ④大人に比べ免疫力(抵抗力)が低いため、ウイルスや細菌が身体に入りやすく、また胃腸が弱いので嘔吐・下痢をおこして体内の水分を失いやすい。
子供の脱水症のサインと対処
見逃さないで、子供の脱水症のサイン
子供に発熱や嘔吐、下痢などの症状がみられた場合、脱水症に注意しましょう。充分な水分と電解質、栄養を摂取させるように心がけて、子供のケアをしましょう。
症状が治まらなかったり、左の図にあるような症状が見られたら、脱水症が進行している可能性があります。できるだけ早く小児科で受診するようにしましょう。
医師の指示のもとに行う経口補水療法
経口補水療法は医師の指示のもとに、保護者が行う脱水症への対処法です。子供の発熱・嘔吐・下痢といった症状がつづくと、体内の水や塩分が大量に失われてしまい、脱水症になってしまいます。
経口補水液は、子供の失われた水と塩分を、体内に速やかに補給することができ、脱水症に適した飲料です。
お医者さんに聞きました。経口補水液の飲ませ方は?
経口補水液を飲ませる目安は、子供(乳児)の体重1kgにつき、1日あたり30mL~50mLです。しかし、これはあくまで目安ですから、あまり数字に真面目になりすぎなくても大丈夫です。
子供が飲みたがった時は、飲めるだけ飲ませてください。大事なのは、少しづつ何回にも分けて飲ませ続けることです。ただし、以下の場合は、至急医療機関を受診しましょう。
受診の目安
- 39℃以上の熱がある
- 目が落ちくぼんでいる
- 1日6回以上の多量の下痢
- 機嫌が悪い
- 血便がある
- ぼんやりして、眠りがち
- 嘔吐が続いている
- 顔色が悪い
- 泣いても涙が出ない
- 尿量が減る。尿の色が非常に濃い
- 皮膚、口、舌が乾燥している
お子さまへのOS-1の飲ませ方のコツ
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お子さまが吐いたら、下痢をしたら
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監修:社会福祉法人 枚方療育園 医療福祉センター さくら 院長, 兵庫医科大学 特別招聘教授 医学博士 服部益治先生